ママ振はサンクコスト?
明日は成人式。「ママ振」というのが流行っているらしい。ママが成人式で着た振り袖を成人になる娘が着るということだそうだ。
30歳くらいで産んだ娘だとするとママの成人式は30年前。バブルのピークの頃だ。さぞかし高い振り袖を買われたのだろう。それがもったいないということなのかもしれない。筆者には、この流行がサンクコストに引きずられたもののような気がしてならない。
「サンクコスト」とは、あるプロジェクトにこれまでに投入した資本=コストのことである。ある時点で、そのプロジェクトを継続するかどうかの判断は、
①継続した場合にこれからかかるコストと得られる利益
②中止した場合にこれからかかるコスト
との比較で行わなければならない。ところが、こういう場合の判断が「これまでこんなにコストをかけたのだから」という本来判断の材料に入れてはいけないサンクコストに判断が引きずられて、プロジェクト継続に傾きがちなことが多いと言う。
「ママ振」も、
①ママの振り袖を着る場合の小物類を新調したり、着付けをしたりのコストとその場合の満足。
②新しい振り袖を買う場合のコストとその場合の満足。
を比較して判断すべきなのだが、「この振り袖、すごく高かったのよ」というサンクコストに引きずられてはいないだろうか。
ちょっとハデすぎるママの振り袖を着て「やっぱりやめておけば良かった」と思うお嬢さんが少なければ良いのだが。